じゃこびの町

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(1)『奇談蒐集家 All for a Weird Tale』を読んだ

太田忠司さんの奇談蒐集家を読んだ。

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面白かった。

奇談蒐集(しゅうしゅう)家と読むらしいが、漢字に疎いため終盤まで読み方が分からず悶々としていた。

新聞広告に掲載された「求む奇談!自分が体験した不可思議な話を話してくれた方に高額報酬進呈。」という文字に惹かれ、奇談蒐集家 恵比寿一(えびすはじめ)の元を訪れる語り手たち。バー「strawberry hills」で語られる奇々怪々な体験談を短編集として一冊の本にまとめたのが、この『奇談蒐集家』だ。

『自分の影に刺された男』、『古道具屋の姫君』、『不器用な魔術師』、『水色の魔人』、『冬薔薇(ふゆそうび)の館』、『金眼銀眼邪眼』、『すべては奇談のために』の全7作品がこの本には収録されている。一つ一つのお話が丁度よい長さで、退屈せずに読み進めることができた。
"本を読む"という行為自体が1,2年ぶりだったため、ページを開く前は、読み終わるのに一体何週間かかるだろうか(トホホ~と思ったものだが、すぐに読み切れたのでよかった。それぞれの短編内の構成、流れも共通となっており、後の話になるほど展開が予想しやすくなっている。

世にも奇妙で不可思議な話、世の常識をひっくり返すような滑稽な話、身の毛もよだつ恐ろしい話。そんな摩訶不思議な話を片手に、登場人物たちはバーを訪ねて恵比寿に自らが経験した「奇談」を語るわけだが、最後は恵比寿の助手 氷坂の手によって見事なまでにその謎を解き明かされてしまう。事の真相を告げられた語り手たちは、ある者は絶望し、ある者は憤慨し、またある者は未来に希望を見出だしたりと、その反応は様々だ。

個人的に一番好きな話は、『不器用な魔術師』。手品か魔法か、本当はどちらなのか分かってはいるのだが、幸せな世界を作り出すために魔法で現実の世界を装飾していく。そういうのって素敵だなぁと思う。素敵だなぁと思いませんか?



それぞれが独立した短編にはなっているが、最終章『すべては奇談のために』で、全部の話が一つに収束するようになっており、綺麗なオチだなと思った。あっぱれ。ああいった、「偽物が本物になる瞬間」というものにある種のカタルシスを感じる人間なので、たまらなかった。

また読みたい。

奇談蒐集家 (創元推理文庫)

奇談蒐集家 (創元推理文庫)





こんな感じでこれから読んだ本の感想というかレビューというか、なんかそういうものを書いて行こうかな~と思っています。とりあえず1日一冊読んでブログ投稿を目標に頑張りマンモス~。