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【5】ペンギン・ハイウェイを観てきた【感想】

8月18日、TOHOシネマズ新宿でペンギン・ハイウェイを観てきた。

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面白かった。宇多田ヒカルの新曲を映画館で聴ければそんで良いかな~くらいの気持ちで観に行ったが、予想以上に楽しめた。感動~。


勉強熱心でちょっとませた小学4年生のアオヤマ君。そんな彼が最近気になっているのは、明るく飄々としていてどこかミステリアスな歯科医院の"お姉さん"だ。突如街に現れた"ペンギン"たちと、このお姉さんとの間に不思議な関係があると気づいたアオヤマ君は、その謎を追っていく────みたいな話。


ペンギン・ハイウェイは幅広い年代の人が楽しめるエンタメ作品だな~と観たあとに思った。内容理解できたかどうかはともかくとして。
どんな不思議なものが飛び出してくるんだろうっていうワクワクいっぱいの鮮やかな作品世界や、学校のリアルな教室風景なんかに子どもはすぐ惹き込まれそう。主人公のアオヤマ君が小学生だから、映画館に来たちっちゃい子たちは同じ目線で冒険を楽しめていいんじゃないかと思う。というか、ペンギンがめっちゃカワイイのがでかい。あれに釣られて来る家族連れ絶対多いでしょ。
大人は大人で、アオヤマ君が解き明かそうとする世界の"謎"が気になったり、彼の成長、周囲との関係の変化なんかが楽しめたりするんじゃないでしょうか。あとおっぱいとおねショタ。そして何より、この作品は「小学生の夏休み」というもう戻れないあの少年時代の気配を感じさせてくれる。ただノスタルジーな気持ちにさせてくれるだけではなくて、なんというか、この夏アオヤマ君と冒険したかのような、自分も一緒になって素敵な思い出を作れたかのような、そんな気にさせてくれる映画だった。

小説読んでから映画観に行けばよかったかな~と思ったけど、原作知ってたら色々と比べてしまって、こんなにも素直に感動できなかった気がするし、まあこれで良かったと思う。ただ、原作もやっぱり滅茶苦茶気になるので、読んでからまたこの映画を観に行きたい。あとオマージュが捧げられているというスタニスワフ・レムの『ソラリスの陽のもとに』も読んでおきたいところ。

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

小説は日本""SF""大賞受賞の硬派なSFだと聞いていたのに、広告でやたらと「青春""ファンタジー""」というのを前面に出してきていたから、一体どっちなんだい!?(なかやまきんに君風に)とモヤモヤしていた。映画観た感想としてはファンタジー色が強めに出てる気がしたが、ファミリー層が楽しめるようにSF要素は抑えめにした感じなんでしょうか。十分難解な雰囲気はありましたが。


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主人公のアオヤマ君。こういう背伸びした感じのクソガキキャラが僕は死ぬほど嫌いなわけだけど、アオヤマ君は好きなキャラだった。ただ生意気に大人に意見するだけじゃなくて、自分の落ち度を認めて反省できる素直さ、自分が賢いと知っていても尚努力を怠らない勤勉さや向上心みたいなものを持っていたのがよかった。小学4年生でありながら無頼のおっぱいソムリエで、己の知的好奇心にどこまでも忠実で愚直なところもグッド。
アオヤマ君の声を担当した北香那さんは今回が声優としてのお仕事が初というのだから驚き。聡明でいてどこか可愛らしい男子の声が見事に出ていたと思う。天晴れ。


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謎のお姉さん。アオヤマ君がお姉さんの寝顔をノートに描いているとき「お姉さんの顔 遺伝子 うれしさ 完璧」と絵の横にメモしてたが、まあ本当にその通りだからな~とウンウン頷いてしまった。あとおっぱいがすごい。こんなお姉さんと僕も一夏の思い出を作りたかった(トホホ~。
蒼井優さんの声が見事にマッチしていて、程よい声の低さがお姉さんの謎めいた空気や落ち着いた雰囲気みたいなものを出してキャラクターに深みが出ていたように思う。

この映画は最後までアオヤマ君とお姉さんの二人のお話って感じがして、他のクラスメイトたちは重要な場面で蚊帳の外という印象を受けた。終盤、ハマモトパパを助けに(アオヤマ君はそのためだけじゃないんだろうけど)"海"に向かうとき、早々にアオヤマ君以外は全員リタイアしてしまってワロタ。
結局、映画観た限りではアオヤマ君はお姉さんのことしか眼中になくて、ハマモトさんは彼を振り向かせることができなかったという印象だし少し寂しい。ツライツライだ。その辺の心理描写みたいなものも本で確認したい。

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アオヤマ君がハマモトさんに見向きもしないから、隣の席は僕がもらっといた。


まあキャラクターも皆魅力的だけど、この映画一番の見所はやっぱりどこまでも綺麗で不可思議な街の風景だと思う。
画集?みたいなものを買って今美術ボード眺めているんだけど、本当に凄い。なんか見てると「おれもこの街に住んでたんだよな~(ウンウン」みたいな謎感情が芽生えてくる。なんでこんなに懐かしい気がするんだろう。"海"がある草原の色合いも、どこまでも爽やかで瑞々しいし、まさに夏休みって感じの背景。
そして終盤のペンギンパレード。街中の空き缶やペットボトル、車や建物などのあらゆる物体がメタモルフォーゼしてペンギンになり、文字通り"無限"に湧き出てくるんだがこのシーンは圧巻。集合恐怖症の人は気をつけた方がいいかも。そこからペンギンたちがアオヤマ君とお姉さんを乗っけて飛び出すんだけど、この辺のぐるんぐるん飛び回るカメラワークもマジで凄い。海"突入後、縦横無尽にペンギンが泳ぎ回る姿は、イナズマイレブン皇帝ペンギン3号を思い出した。


映画『ペンギン・ハイウェイ』 予告2


結局"ペンギン"とは、"海"とは、"お姉さん"とはなんだったのか、はっきりとしないまま物語が終わってモヤモヤする人も多かったんじゃないかと思う。小学4年生のお子ちゃまたちがこんな壮大な謎を解明できるはずがない、と片付けてしまうとまあそれまでなんだが、アオヤマ君のノートの最後にはこんな文章が書いてある。

これは未だ人類が到達していない謎に挑む壮大な研究だ。とてつもなく長い道のりになるかもしれない。このノートも何冊使うことになるかわからない。だけど、ぼくは覚悟を決めている。一日一日、世界について学んで、昨日の自分を上まわり、ぼくは人類代表になってお姉さんに会いに行く。
この壮大な研究をぼくはこう名付ける
プロジェクト ペンギン・ハイウェイ


この「夏休みの宿題を一生かけて解く」っていう図、マジでロマンの塊でしょ。これまた天晴れな締め方だと思う。


いつかアオヤマ君がこの謎を解いてお姉さんと再会する、そんな日が来ることを僕も心待ちにしています。誰かそういう二次創作書いてくださいよ、ちょっと。

皆さんはあの日やり残した夏休みの宿題、ありませんか?僕は無限に心あたりがあるので、少しずつ清算していけたらなとこの映画を見て思いました。未観賞の方は、ペンギン・ハイウェイを観て忘れられない思い出を平成最後の夏に作りましょう。

おわり



ここまで読んでいただきありがとうございました。