じゃこびの町

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【感想】『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』を観てきたけどよかった【ネタバレ注意】

※ネタバレ注意


11月11日、梅田ブルク7エウレカセブンハイエボリューションの2作目を観てきました。(結局バルト9の舞台挨拶のチケットはリセールに出して東京には行かなかった)

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ワケ分かりませんでしたがかなり面白かったです。完全に突き抜けた。


この日のために先週ボンズ展に行ってエウレカ熱を高めてきたじゃこび。その勢いでTVシリーズも見返そうとしたものの、結局時間がなかったのでほぼ記憶喪失の状態で映画に臨みましたが、『ポケットが虹でいっぱい』*1『ハイエボリューション1』*2と同様にアニメの世界とは異なる別世界の話なので、ほとんど問題ありませんでした。過去作品の知識の有無に関わらず、初見ではまず前作との繋がりとか理解できないと思うので。

必要なのは売店で売ってるパンフレットとそこの最後の方のページに記載されてる「作品解説」。
アネモネエウレカ・ドミニク・レントンってキャラがいたな~くらいの放送当時の記憶が微妙に残ってるなら、とりあえずはそれで十分です。


予習の必要は、まあ一切ないです。強いて言えばハイエボ1忘れてる人は見返した方がいいかもしれません。

あらすじ
14年前に突如地球上に現れ、73の国を滅ぼし26億人を死に至らしめた人類の敵エウレカ。東京に出現した7番目のエウレカを倒すため、特殊潜入部隊IAG303に所属する少女 石井・風花・アネモネエウレカセブンの中へと意識をダイブ(伝送)する。エウレカセブン内のアバターとシンクロしたアネモネは、AIコンシェルジュのドミニクと共に奮闘するが─────。



RUANN「There's No Ending」Animation Music Video(Short ver.)

ダイブシステムによってエウレカセブン内のアネモネアバターとして戦う~とか言い出すので、「またTVアニメの流用来るか……来るんか……」と身構えてたら、やっぱりそのまんま使われてて転げ落ちてしまった。
まあアニメと同じなのはアネモネがジ・エンドに乗ってる戦闘シーンだけでオリジナルがほとんどなので、前二作に比べれば大分良くなったというところでしょうか。それに今回の映像流用は、TVアニメ版というハイエボと異なる『エウレカセブン』の世界との繋がりを見せるため、という大きな意味を持たせてる点が過去作とは決定的に違います。


作中アネモネは《エウレカセブン》の中にダイブして、我々にお馴染みのTVシリーズの『エウレカセブン』の世界を何度も目にすることになります。
このダイブ先の無数の世界はレントンを生き返らせるためエウレカセブン内に作り出された夢の世界なのだと語り出すエウレカ


なんと『ANEMONE』で登場するエウレカは『ハイエボリューション1』の世界から来たらしく、あちらの世界ではレントンはアクペリエンス*3に飲み込まれて死亡(消失)。悲しみに暮れたエウレカはハイエボ1序盤に出てきた決戦弾頭「シルバーボックス*4」の力を使い、夢を現実化させることでレントンを再生させようと試みているというのです。
やたらと前作に出てきたあの"PLAY BACK""PLAY FORWARD"のカットは、エウレカレントンを再生させようと世界を巻き戻し、繰り返していることを意味してたようです。

まあハイエボ1ではエウレカ不在でレントン視点のモノローグが終始語られていたのにこの発想に至れというのはちょっと無理があると思いますが…


レントンを再生しようと夢の世界を現実化させるエウレカですが、必ずどこかの時点でレントンは死んでしまいます。死の運命から逃れようと何度も世界を繰り返す内、その影響はマルチバース(多元宇宙)にまで及んでしまうことに。この レントン再生に失敗した夢の世界 の残骸がスカブ*5となったのが、『ANEMONE』に出てきて人類を脅かす《エウレカ》です。


パンフの解説を読むまでアホのじゃこびはこんなの分かりませんでしたが、思い返せば劇中エウレカもそんなこと言ってたような気がしないでもないです。ちなみに、デューイも次のように語ってくれていました。

お前たちが見ているエウレカセブンエウレカセブンではない。偽りの神が創っては破棄した無数の不要な世界。いわばゴミの山だ。お前たちがやってきたことはごみ処理以外の何物でもない。

アネモネがダイブして破壊したスカブは、レントンを再生できなかった失敗作の数々だそうです。ちなみにデューイもエウレカと同じくハイエボ1の世界から『ANEMONE』の世界に来てしまったらしい*6


ラストの方で今まで何度も繰り返してきた世界がフラッシュバックで映されていきますが、TVアニメシリーズだけじゃなくて漫画*7PS2のサムナ*8なんかも出てきたのは個人的にグッときました。
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家帰って探してたら発見。最後に映ってたのこのシーンですよね多分。

今作のエウレカにとっては望んだ世界にならなかった不要な存在、悪夢の一端なのかもしれませんが、どんな形であれ様々な媒体の『エウレカセブン』が一つに収束・包括されようとする様を見れたのはなんか嬉しい。というかあっぱれ。鑑賞前は「アニメと下手に関わり持たせんじゃねぇぞ、おい」とか思ってましたが、熱い手のひら返しをしてしまいました。

「終わるに値する世界なんて存在しない」とドミニクが言っていましたが、まあその通りだと思います。この言葉によって過去のボロクソに叩かれてきたエウレカセブン』の派生作品の世界を全て肯定してきたなぁと。

人類の敵《エウレカセブン》の中にダイブするという行為が、文字通りに私たちがよく知る『エウレカセブン』という作品世界に入ることを意味してた、というのはなんとも感慨深いですね。トホホ。


まあパンフの解説読まないと僕みたいな理解力・想像力のない人間はまず頭が追いつかないので、もっと分かりやすくしてほしいというのが正直なところ。

台詞超多いし説明的な語り連発するし難解すぎる。パンフに書いてある内容(ハイエボリューション1の部分)を観客に伝えるには圧倒的に劇中描写も不足してる感が否めないと思った。「不親切」という言葉を作品の感想で口にするのは""読み手の怠慢""だと思ってるのであまり使いたくはないけれど、これはマジで「不親切」。

とりあえず来週辺りまた観に行って理解を深めたいです。


youtu.be
映画 『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』 本予告60秒 - YouTube

本予告をYouTubeで観た時点で、ハイエボ1ラストの予告はなかったことにされるんだろうな……と思ってたら案の定あの予告のカットは本編で1つも出てきませんでした。悔しい~。

ティザービジュアル見た時点で「東京??謎の巨神兵????」状態で、『ANEMONE』は今までの『エウレカ』シリーズと全く違う世界観になるんだろうなと察してましたが、予想通りマジで別物の作品でした。
まあこれくらい吹っ切れてる方が僕は好きです。前作より遥かに楽しめた。

アネモネが3DCGで動いてるのを見たときはオイ!と一喝したくなりましたが、CGが使われてるのは回想や夢の世界でアネモネエウレカが子供の姿をしているときだけなので、ギリギリ許容範囲。
『楽園追放*9』に触発されて今回CGを取り入れたようですが、今まで手描きだったアニメがCGを使い出すのはどうしても違和感が拭えないし、劇中観ててもやっぱり動きがぎこちなくて気になってしまったので、シリーズファンとしてはちょっとツライツライ。

ただ、ラストでガリバーが無限に湧いてきて世界を喰い尽くそうとする場面が出てくるんですが、そこはグッド。見てて楽しかった。緊迫してるシーンのはずなんですが、コミカルなCG表現でちょっと笑える感じになっていて、仲を深めたアネモネエウレカのほんわかした空気感をそのままに追いかけっこ(などという生易しいものではないが)をしていて和みました。
それと、冒頭一人でアネモネが通っていたあの抜け道を今度はエウレカと共に走っていて、独りぼっちだった二人が手を取り合う姿には思わずポカポカ

見る前はアネモネとドミニクがメインの話なのかと思っていましたが、それはとんでもないフェイク。蓋を開けて見たらアネモネエウレカのガールミーツガール映画でひっくり返ってしまいました。
TVシリーズで会話する機会がほぼなかったアネモネエウレカが友情関係になるというのがとても新鮮だし、この二人の濃ゆい掛け合いが見れただけでもじゃこびはまあ満足。

見た人なら分かると思うんですが、アネモネエウレカの手を掴んで引っ張るシーン、二人で扉を開けるシーンでもう胸がいっぱいになります。

あと終盤のドミニクと再会からの「Ballet Mechanique」が流れるところもかなり込み上げてくるものがあった。ただ、その後にエウレカとのやり取りがあるせいで、全体で見たときにどうしても前座感というか、持っていかれちゃった感。いいけど。

There's No Ending

There's No Ending

主題歌が『ANEMONE』に滅茶苦茶マッチしていて良かった。これを歌ってるRUANNさん、なんと15歳なのだというのだから驚き。ナニモンなんだ……。
神主題歌をちゃんとフルで流すのは滅茶苦茶評価したい。



パンフ読んでたら京田監督が「『エウレカセブン』と言うと"爽やかサブカルアニメ"と思われがちですが~」と言っててちょっとワロタ。マジでそんなイメージ持ってます。

そもそも、『エウレカセブン』とはなんなのか、何を求められてる作品なのかいまいちまだ理解できてません。少年少女のボーイミーツガールなのか、LFO*10メカニックデザインなのか、小難しい世界設定なのか、劇中流れるイカしたテクノなのか…よく分かりません。皆何が好きでエウレカ見てるんでしょうか。

僕は"アネモネエウレカがかわいい、好き"というのが『エウレカセブン』が好きである理由の大部分を占めてるので、この二人を堪能できただけでまあ『ANEMONE』観て良かったな~という感じです。


エウレカセブン』好きだけどまだ観てないよ~という方は、とりあえず一度劇場に足を運んで見てはいかがでしょうか。大画面であのアネモネエウレカが手を取り合ってるのが見れるので。

あなたの好きな『エウレカセブン』をこの映画で感じ取って楽しめるかは分かりません。分かりませんが、エウレカファンの方に響く要素が『ANEMONE』には散りばめられているんじゃないかなぁと僕は信じています。


今回はまだ3部作の2作目ということなので、次回の評価で『ハイエボリューション』シリーズが駄作か傑作かはっきり決まることでしょう。あそこからどう話を畳んでくれるのか見物です。
いつ公開になるかはまだ未定ですが、まあ程々に期待して待っときたいな~という次第。

涅槃の案内人が我々をニルヴァーナへ連れていってくれるのを願いましょう。



最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

*1:初のエウレカ劇場作品。2009年4月公開。存在そのものをなかったことにされがちだが、劇伴「幼年期の終わり」はガチの名曲。

*2:エウレカ新劇場版3部作の記念すべき第一作目。2017年9月公開。予告はすごい良かった。

*3:ニルヴァーシュの搭乗員がまれに体験する超常状態。『ANEMONE』パンフの方では「エウレカの真の力が覚醒した状態」のことだと書いてあった。大量の光と圧倒的なエネルギーが放出される。

*4:『ハイエボリューション1』の世界でスカブコーラル殲滅のために使用された決戦弾頭。着弾後は暴走し、「マルチプライズ」と呼ばれる謎の現象が発生、時空境界面共有領域を出現させる。ここでアドロック・サーストンは別宇宙を目にした。

*5:スカブコーラル。サンゴ状の情報生命体。

*6:どういう経緯で来たのか本編で語られなかったが(多分)、1のシルバーボックス暴走時に爆心地で唯一生き残ってたのでその影響でなんか来ちゃったんだと思われる。時空境界面領域を目の当たりにし、この時に多元宇宙を見たため、『ANEMONE』世界で起きる出来事を予見できたという感じか。

*7:片岡人生近藤一馬のタッグが手がけた『エウレカセブン』の神コミカライズ作品。TVシリーズと異なる展開を迎えるが、じゃこびは大好き。全6巻と手軽に揃えられるので皆さん買いましょう。

*8:TVアニメ以前の世界を描いたPS2ソフト『エウレカセブン NEW WAVE』及び『NEW VISION』の主人公。アニメ終盤にもちょろっと出てきた。

*9:水島精二監督、虚淵玄脚本によるフルCGアニメーション映画。2014年11月公開。

*10:Light Finding Operation(汎用人型重機)の略。LFOを戦闘用に武装化させたのがKLF、Kraft Light Fighter。