じゃこびの町

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【感想】『言の葉の庭』を観た

7月21日*1、自宅で言の葉の庭を観ました。

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面白かったです。

本当は『天気の子』を観ようと隣の県まで向かってたんですが、まさかのチケット売り切れ。むしゃくしゃした気持ちを鎮めるために、とりあえずアマプラで『言の葉の庭』を視聴したという次第です。トホホ。

あと「『天気の子』を観る前に新海誠作品は全て履修しておくべき」とかいうオタクたちの謎の圧力に屈してしまったのも大きな理由。


映画『言の葉の庭』予告編映像


最初に、風景描写がどこまでも鮮明に描かれていて感動しました。
降り注ぐ雨の一粒一粒に呼応して、水溜まりに広がる波紋。空き缶やペットボトル、包装紙が乱雑に散らかった生活感溢れる部屋。上木鉢に敷かれた大鋸屑や枯れ葉のキモいぐらいの書き込み具合。マンションのエレベーター前に立つ「点検中」の看板と貼り付けられている注意文書。挙げ出せば切りがないくらいの緻密な背景が全編に渡って描かれていてただただ感服しました。金麦は神。

絵の美しさという点も勿論ですが、実際に在る日常の風景をナイフでそのまま切り出したようなリアリティを感じれたのがまた良かった。


どこまでも綺麗な梅雨景色と対照的に、ストーリーはマジモンの6月のように中々パッとしない曇り空だったのも印象的です。


まず15歳と27歳、12歳の年の差。この組み合わせ滅茶苦茶いいですよね。罪深すぎやろ。

思春期真っ盛り、毎日毎日繰り返しの日々の中で将来への不安や疑問が溢れる高校生男子が、年の離れた女性に無限に期待と憧れを抱く気持ちは痛いほど分かります。
まあタカオは年齢不相応に明確な将来へのヴィジョンと確かな意思を持ってしまっているので、大分僕とはかけ離れた存在なんですが。

反対に、理想の大人になれずにずっと同じ場所にいることへの嘆きと前に踏み出すことができない焦燥感に駆られるユキノ先生。こちらも無駄に年だけ食って中身が1ミリも成長していない自分としては理解しかないと言ったところ。
スーツ着て駅まで来たものの、やっぱり怖くなって外で缶ビール飲むというのが嫌に生々しい。

生徒にいじめられて先生が学校に行けなくなる、というのも結構リアルでくるものがありました。
母校でも「○○先生を流産させようの会」みたいな感じで教師を退職に追い込むのが流行っていたのを思い出して、まあまあ胸が苦しい。マジでこの位の年齢のガキはどこまでも残酷になれてしまうので、タカオにはお灸を据えて欲しかったところですが、普通に返り討ちでボコボコにされちゃって泣いた。


というかユキノが教師だという事に校内で会うまで気付かなかったのが悔しすぎる。

短歌や以前会ったことを匂わせる台詞、着信履歴にある伊東先生でそこまでの発想に至ることができなかったのは割と痛手。一本とられました。

タカオもユキノも同じ学校の人間で、実は向かうべき場所は二人とも一緒だったというのがよかったです。最後の「歩く練習をしていたのはおれも同じだった」ってのにもかかってきますけど。

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日が差し込んだ後、ユキノがタカオに抱きついて泣きながら心中を吐露→Rainの流れは鳥肌。それまでのタカオの叫びも相まって、四肢が吹き飛びそうになるほどのカタルシスを感じることができました。

ここで安易に「私もあなたのことが好きだった」とか言わせないのもファインプレー。

ラストでタカオが手紙を読んでましたが、結局作った靴を履くことなくユキノ先生はどこかへ歩いていって、二度と会うことはなかった────みたいなパターンな気がしてキューッとなっちゃいました。

まあそれでいいのかなと思います。

タカオとユキノ、生徒と教師の恋愛のお話というよりは、心を病んで歩けなくなったユキノをタカオが支えとなって救済する面が主軸というかなんというか。一人で立って歩けるようになったから、もう靴(タカオ)がなくても前に進めるといった感じで終わったんかなと感じました。大人になって遠くまで歩けるようになったタカオが彼女を追いかけて行くのかどうかはまた別の話ですが。

いやそれにしても最後までユキノの口から「タカオが好き」だと語られることがなかったのは大人の対応といった感じでよかった。年の開いた男女ならではみたいな。
とは言うものの、やっぱり二人は結ばれて欲しいという気持ちも普通にあるので難しいところです。

言の葉の庭

言の葉の庭

ちょっぴり切なかったですが、面白かったです。
オタクが「言の葉の庭』のお陰で雨が好きになった」とか訳の分からないことを言っていた意味がよく分かりました。

あと何作あるのか知りませんが、この調子で天気の子観るまでに新海誠監督の作品をがんばって観賞しようと思います。



最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

*1:ぼくの誕生日です