じゃこびの町

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【感想】辻仁成さんの『エッグマン』を読んだ

10月27日、辻仁成先生のエッグマンを読みました。

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面白かったです。

図書館でやってた""10月誕生日の作家特集""みたいなコーナーで取り上げられていたんで適当に借りてみたんですが、ま~あよかった。


旦那と別れた一児の母マヨに一目惚れした不器用で無愛想な主人公サトジ。前夫の乱暴で心に傷を負ったマヨとその娘ウフを、サトジは得意な卵料理の数々で笑顔にしていく~みたいな感じのお話。ハートフル料理小説。

小説トリッパー」2016年秋季号から2017年夏季号に掲載された八つの小編が収録、各話でサトジがいい感じの蘊蓄と共に珍しい卵料理を披露してくれるんですが、これが死ぬほど旨い。

勿論実際に食ってる訳じゃないんだけど、文字列眺めてるだけで味覚が刺激されてしまうというかなんというか。どこまでも詳細に、鮮明に調理風景を記してあるので、出来上がった料理の見た目だけでなく味や匂いまでも頭の中に浮かんできます。TKGホワイトオムライス食いてえ~~~。

居酒屋「ゆるり」を舞台に様々な悩みを抱えた登場人物たちの曇った心を、卵料理を駆使して次から次へと晴らしていく様は爽快。読んでてポカポカしてきます。

『幸せはきっとその時に分からないもの。幸せは、幸せをなくした人が振り返ったときに気がつくようなものじゃなきゃいけない。はしゃいでいる時の幸せを私は幸せと思いたくない。今はこの日のことをはしゃげる日が来ることを待ちわびたい』
といった感じのウフの台詞があるんですが、これがすごい好き。達観しすぎやろこのガキ。

エッグマン

エッグマン

エッグマン、お腹も心も満たされる作品なので皆さんも読んでみましょ~。